オバマ米大統領、「財政の崖」回避に向け企業幹部に働きかけ

オバマ米大統領は週末、大規模な増税と歳出削減が
年末に重なる「財政の崖」の回避に向け、週末に
ビジネス界の重鎮と相次いで対談し、協力を呼びかけた。

大統領と対談したのはJPモルガン・チェース
ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)や
著名投資家ウォーレン・バフェット氏ら。

ダイモン氏はリセッション(景気後退)後にオバマ政権が
行った金融規制強化を厳しく批判していたが、先月には
「財政の崖」回避のために大統領が提案する富裕層増税への
支持を表明している。

ホワイトハウス当局者によると、大統領は
このほかアップルのティム・クックCEO、
ボーイングのジム・マクナーニCEO、
コストコのクレイグ・ジェリネックCEOとも会った。

同当局者は、大統領はビジネス界との交流とともに、
「中間層を守りつつ米経済を前進させ続けるバランスの
とれた赤字削減策を見出すための働きかけの一環で、
ビジネスリーダー1人1人に接触し対談した」
と明らかにした。

議会とオバマ政権が動かなければ、個人所得税
一律引き上げと1090億ドル規模の歳出削減が
来年1月1日に始まる。

財政の崖で、連邦政府財政赤字は縮小する
可能性があるが、経済が再びリセッションに
陥る可能性も指摘される。

オバマ大統領は先週、こうした経済への打撃を
回避するため、議会指導部との協議を開始。

共和党との争点は大統領が主張する富裕層増税

共和党財政赤字削減には歳入増が必要との考えに
同意しているものの、そのための増税には反対だ。

大統領はビジネス界、労働組合、市民団体のリーダーや
非営利団体ホワイトハウスに招いて「財政の崖」
回避への政権のアプローチに理解を求め、議会に
大統領案を支持するよう圧力をかけている。

ダイモン氏ほか企業幹部からの
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