日銀が金融政策据え置き決定、景気判断「当面弱め」に下方修正

日銀は19、20日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である
無担保コール翌日物金利の誘導目標を0〜0.1%程度に
据え置くとともに、基金による資産買い入れによる
金融緩和策について現状維持とすることを、全員一致で決定した。

一方、先行きの景気判断を
「当面弱めに推移する」と下方修正した。

金融政策は現状維持とし、景気の落ち込みを背景に9、10月と
異例の2カ月連続で実施した追加緩和の効果を見極める。

景気認識については、足もとを「弱含み」に据え置いたものの、
先行きを「当面弱めに推移する」とし、10月末公表の
「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で示した
「当面横ばい圏内の動きにとどまる」から下方修正した。

ただ、その後は「国内需要が全体としてみれば底堅さを維持し、
海外経済が減速した状態から次第に脱していくにつれて、
緩やかな回復経路に復していく」とし、景気回復シナリオは維持した。

海外経済についても、これまでの「減速した状態が
強まっている」との判断を最近の米国や中国の明るめの
指標などを反映し、「減速した状態が続いている」に変更した。

また、足元の輸出や鉱工業生産は「減少している」としたほか、
設備投資は「緩やかな増加基調」にあるが、「海外経済減速の
影響などから製造業に弱めの動きがみられている」と指摘。

個人消費も「底堅さを維持している」ものの、「乗用車購入において
需要刺激策の一部終了に伴う反動減がみられている」とし、
エコカー補助金終了による消費への影響に言及した。

一方、リスク要因として、前回に続いて、1)欧州債務問題の今後の展開、
2)米国経済の回復力、3)新興国・資源国経済の持続的成長経路への
円滑な移行、4)日中関係の影響の広がりをあげた。

これらを背景に「日本経済をめぐる不確実性は
引き続き大きい」とし、金融・為替市場動向の
景気・物価への影響にも注意が必要との認識を示した。

金融政策運営では、日本経済の早期のデフレ脱却が
「極めて重要」との認識を改めて示し、課題克服に向けて
実質的なゼロ金利政策の継続と基金による資産買い入れを通じ、
「強力な金融緩和を間断なく推進していく」と強調。

日銀として「引き続き適切な金融政策運営に努める」方針だ。