IMFが債務削減目標を緩和、融資実施へ譲歩近い=ギリシャ財務相
ギリシャのストゥルナラス財務相は23日、
国際支援団との財政再建協議で争点になっていた
債務削減目標をめぐり、2020年に対国内総生産
(GDP)比で124%を持続可能な水準とみなすことで
国際通貨基金(IMF)が譲歩したと明らかにした。
ギリシャ財政再建協議が難航し、今週のユーロ圏
財務相会合で追加融資決定が見送られる要因になっていた。
ストゥルナラス財務相によると、IMFは2020年に
債務水準がGDP比124%まで低下することを条件に、
ギリシャ債務が持続可能であると認めることに同意した。
またユーロ圏諸国は、ギリシャ債務を2020年に
対GDP比130%に削減するための方策で既に
合意しているという。
同相は記者団に対し、こういった調整により
「不足資金は対GDPで5〜6%ポイント、
つまり約100億ユーロになる」と語った。
国際支援機関のギリシャをめぐる合意が近いとの
楽観的な見方が強まり、ユーロは対ドルで
3週間ぶり高値に上昇した。
ただ、ギリシャ財政再建協議に詳しい筋は、IMFは
ギリシャ債務を2020年に国内総生産(GDP)比で
124%とする目標を受け入れるものの、不足資金は
あと約100億ユーロとするギリシャ側の主張には
否定的見解を示していることを明らかにした。
同筋は「(支援)合意に至るまでに
(解決)すべき項目が残っている」と指摘。
「100億(ユーロ)は
あまりにも楽観的だ」と語った。
またギリシャ財務省の当局者は、債務削減方法の
一つとして、欧州中央銀行(ECB)が
ギリシャ国債保有に伴う利益90億ユーロを
放棄する可能性があると指摘した。
他に、金利引き下げで80億ユーロを捻出することや
ギリシャ融資期間延長に加え、約300億ユーロの債務を
買い戻すために100億ユーロを投じることなどが
検討されているという。
その当局者によると、ギリシャはすでに
国債買い戻しの準備を始めている。
20日の会合でギリシャ融資実施の承認決定を
見送ったことを受けて、ユーロ圏財務相は26日、
再度会合を開く。
メルケル独首相は会見で「26日にギリシャへの
次回融資が決定されると期待している」と述べ、
問題決着を楽観する姿勢を示した。
当局者によると、ユーロ圏財務相は26日の会合に先立ち、
24日に電話会議を開き予備協議を行う予定。