仏長期格付け「AAプラス」を確認、赤字削減目標に懸念=S&P
米格付け会社S&Pは23日、フランスの長期格付け「AAプラス」と、
「ネガティブ(弱含み)」としている見通しを確認した。
一方、フランスは来年、財政赤字削減目標を
達成できない可能性が高いと警告した。
S&Pは声明で「今回格付けを確認したのは、仏政府が
財政・構造改革への取り組みを続けるとのわれわれの
見方を反映した」と説明した。
大手格付け機関のムーディーズ・インベスターズ・サービスは19日、
フランスの政府債格付けを最上級の「AAa」から「AA1」に
1段階引き下げている。
S&Pは1月に仏格付けを引き下げている。
S&Pは声明で、「仏政府は、長らく利権を得てきた
既得権益者の反対を押し切り、重要な構造改革を
さらに推し進めるとの基本シナリオをわれわれは
持っている」とし、「大幅な改革が政府の緊縮財政措置の
支えとなり、成長見通しの改善につながるとみている」とした。
仏政府は、2013年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を
3%に引き下げるとの目標を堅持するとしている。
ただS&Pはこの目標は達成できないと予想。
欧州委員会、国際通貨基金(IMF)なども
未達成に終わるとの見方を示している。
仏10年債利回りは現在2%強と、
歴史的な低水準で推移。
これにより仏政府の資金調達コストは
低水準に抑えられている。