ユーロ圏は最悪期を脱却、政府は改革継続を=ECB総裁

欧州中央銀行(ECB)ドラギ総裁は22日、ユーロ圏は
2013年を一段の信頼感をもって始めることができると
しながらも、ECBが物価安定に努めるなか、各国政府が
改革を実施することで欧州を前進させられるかに
かかっているとの考えを示した。

ドラギ総裁は年初にあたりフランクフルト商工会議所で講演。

債券買い入れプログラム(OMT)が事態沈静化に寄与したとし、
当局者がユーロの安定維持に努めたことで「最悪期は脱した」
との考えを示した。

総裁は「われわれは、前年1月よりも信頼感を持って
2013年を開始する」とし、「この信頼感は、各国政府、
議会、欧州連合EU)、ECBのすべてが2012年中に
実施できたことの上に成り立っている」と述べた。

ただ、信頼感は「こうした進展が今後も続くとの
期待の上にも立脚している」との認識も示した。

ドラギ総裁は、物価安定に努める姿勢を改めて示し、
ECBが物価安定の責務から逸脱している兆候はないと述べた。

ユーロの安定のためにECBは責務の範囲内で必要なことを
行う意思を表明してきたとし、「存続への疑念がない通貨のみが
安定した通貨であり得る」とした。

またユーロ圏諸国が取り組んでいる改革の道のりは
容易ではないとしながらも、「代替策はない」と言明。

「改革の継続が必要であり、また持続的な
成長には競争力が欠かせない」と語った。

その上で「金融市場の落ち着きを受けて、ユーロ圏
ガバナンスの枠組みに存在する構造的欠陥を是正する
意欲が低下するようなことがあってはならない」と主張した。