カナダ中銀が政策金利を1%に据え置き、利上げ時期後ずれ示唆

カナダ銀行中央銀行)は23日、
政策金利である翌日物金利を1%に据え置いた。

だが利上げ時期については、過剰能力や低水準の
インフレなどを理由に、従来予想からかなり
後ずれする公算が大きいとの見方を示した。

中銀は声明で「2%のインフレ目標達成と整合性が取れるよう、
金融刺激策を徐々に、幾分緩やかに解除することが
必要になるとみられる」とする一方で、インフレ見通しが
一段と抑制されていることなどから「こういった刺激策解除の
時期はこれまで予想されたほど差し迫ってはいない」とした。

中銀の金融政策発表を受けて、カナダドルは対米ドルで
等価水準を割り込み、2カ月超ぶり安値をつけた。

経済が完全稼動に達する時期は2014年下半期とし、
10月時点の予想の2013年末から後ずれした。

総合インフレ率は短期的に1%前後で推移すると予想。

2009年以降初めて、第1・四半期に1〜3%の
目標レンジを下回るとの見通しを示した。

総合・コアインフレ率が2%に戻る時期は、
これまでの2013年末から2014年下半期に
予想を修正した。

利上げの可能性については依然として
明確なシグナルを示し、見通しには現時点から
2014年末の間の緩やかな刺激解除が含まれると説明した。

2012年第4・四半期の成長率は
年率換算で1%になった可能性が高いとした。
これまでの中銀予想は2.5%だった。

2013年全体の成長率見通しは1.9%とし、
前回予想の2.2%から引き下げた。

今年の経済は、立ち上がりが弱いものの
年間を通じて勢いが増していくと予想。

設備投資や輸出が増え、一時的な
エネルギーセクターの混乱も収束するとしている。

住宅市場は、一部地域の集合住宅など
建設活動が活発で過剰な状態が続くと指摘。

住宅価格は幾分軟化したものの、市場の一部で
依然高止まりしているとの見方を示した。

カーニー総裁は記者会見で、いかなる措置も
完全に排除はしないとしながらも、中銀の見通しには、
現時点から2014年終盤にかけて金融刺激が徐々に
引き揚げられるとの見方も含まれていると指摘。

「タイミングはシフトした」とし、過剰生産能力や
インフレ抑制などを挙げ、「これらの要因すべてにより、
金融引き締めの必要性が先送りされる」と述べた。

また住宅市場動向に関連して、住宅部門の抑制に向けた
利上げの必要性の緊急性は薄れたとの見方も示した。

カーニー総裁は7月にイングランド銀行
(英中央銀行)総裁に就任する。