輸入物価上昇の適正な価格転嫁を注視=甘利経財相

甘利明経済財政担当相は14日午後、2012年10〜12月期
実質国内総生産GDP)の発表を受けて記者会見し、
デフレ脱却に総力を挙げるとし、先行き、輸入物価の
上昇が適正に価格転嫁されデフレーターが期待する
方向にいくか注視する考えを示した。

10〜12月期GDPは3期連続の
マイナスとなったが、マイナス幅が縮小した。

景気底打ちと言えるかとの質問には「この時点では
何とも言えない」と答えるにとどめた。

1〜3月期に向けた好ましい材料としては
「政権が交代し、マインドが変わってきている。
具体的な行動にどこまで跳ね返ってくるかだ」とし、
審議中の12年度補正予算が2月下旬にも成立し、
「今年度中に(緊急経済対策の)一部でも効果が
発揮できるよう迅速な対応をしていきたい」と述べた。

一方で、先行きのリスク要因として世界経済が
予測通り堅調に推移するかなど海外要因を挙げたほか、
「国内的には輸入物価の上昇がきちんと価格転嫁され、
デフレーターが期待する方向に向かっていくかだ」と語った。

甘利担当相は円安による輸入物価の上昇でも
「(企業が)価格転嫁できず、利益や人件費を削って
しのぐのでは消費の力を落とすことになる」と説明。

「消費が拡大し、生産が拡大し、雇用・所得に
反映するサイクルをしっかり回すことが重要だ」と語った。

2012年度政府経済見通し達成については「何とか
目標に向かって努力する」と述べるにとどめた。