米経済緩やかなペースで成長、住宅・製造業部門が支援=地区連銀報告

米連邦準備理事会(FRB)は17日発表した地区連銀経済報告
ベージュブック)で、米経済が2月下旬から4月上旬にかけて
「緩やかなペースで」成長したとの見解を示した。

住宅価格の上昇に加え、製造業活動の
改善が支援要因となったとしている。

今回の地区連銀経済報告は前回と比べると基調が
若干明るくなっており、ダラス地区連銀とニューヨーク連銀は
景気拡大ペースが若干加速したと報告。

5地区連銀が成長は「緩やか」、別の5地区連銀が
成長は「控えめ」との見方を示した。

地区連銀経済報告は「12地区連銀からの報告は、
2月下旬から4月上旬にかけての報告書がカバーする
期間を通して、全般的な経済活動が緩やかなペースで
拡大したことを示唆している」とした。

FRBは前月、超低金利政策を維持すると同時に、
現在実施している資産買い入れの規模を
月額850億ドルに据え置くことを決定。

市場ではFRBのこうした大規模な資産買い入れにより
将来的にインフレが引き起こされるとの懸念も出ている。

ただFRBは、「価格上昇が報告されている住宅と
住宅用建築資材を除き、すべての地区にわたり
物価圧力は引き続き概ね抑制されている」とし、
こうした懸念を退けた。

今回の地区連銀経済報告はダラス地区連銀が
4月5日までに入手可能だった情報に基づいて作成。

5日に労働省が発表した3月の雇用統計では
非農業部門雇用者の増加数が予想を大きく下回る
前月比8万8000人にとどまったため、市場では
米経済の成長ペースが鈍化したのではないか
との懸念も出ていた。

こうしたなか、FRBは地区連銀経済報告で、特に自動車と
建設に関連する製造業部門で改善が見られるとし、
慎重ながらも楽観的な見方を表明。

「ほとんどの地区から、住宅、及び商業用不動産が
前回報告時と比べて大きく改善したとの報告があった。
住宅価格は多くの地域で上昇し、融資需要は大部分の
地域で安定的、もしくは若干上向いて推移した」とした。

さらに、「雇用状況は横ばい、もしくは若干改善し、
製造業、住宅建設、IT(情報技術)、専門サービスの
各分野で最も幅広い雇用が見られたと報告された。
賃金圧力は全般的に抑制されていた」とした。