米財務長官、IMF拠出金増額恒久化を承認するよう議会に要請
ルー米財務長官は24日、国際通貨基金(IMF)への
米国の拠出額を恒久的に引き上げることを議会に
承認するよう要請し、IMFで米国の影響力を
維持することが重要との認識を示した。
オバマ政権は、危機対応の手段としてIMFに拠出した
630億ドルを、米国の影響力拡大とIMFの
議決権改革案実行に向け、米国の拠出金として
恒久化することを目指している。
しかし、一部の共和党議員らは財政の厳しい年に
新たな資金拠出を認めるようなものだとして
増額の恒久化に批判的な姿勢を示している。
ルー長官は、下院の小委員会で「私は仕事の大半を通じて、
財政面での厳しい選択を行ってきた。率直に言うが、
われわれはIMFへの出資を継続する必要がある」と発言。
同長官は「IMFのバランスシートは強固だ」とし、
拠出金が損失となる恐れがあるとの懸念を緩和しようとした。
一方、共和党議員は別の公聴会で、問題を抱える
欧州諸国の支援にIMFがいかに貢献しているかなど、
IMFの融資に伴うリスクについて懸念を表明。
議会が拠出額の変更承認を
急いでいないことを示唆している。
IMFの議決権改革案は、唯一単独で拒否権を
握る米国の承認なしに実行することはできない。
改革では中国などの議決権が拡大し、米国は議決権が
やや縮小するものの、拒否権は維持できる。
ルー長官は「自国の議決権を拡大させ、米国の拒否権を
排除したいと考える国も存在する」と指摘。
「したがって、改革を早急に
承認することが急務だ」と述べた。