フランス、格付け維持に財政赤字削減目標の達成が必要=S&P
S&Pのアナリスト、マルコ・マースニク氏は 27日、
フランスが一段の格下げを回避するには、財政赤字削減
目標の達成が必要との見解を示した。
S&Pは昨年1月、フランスの格付けを最上級の
「AAA」から「AAプラス」に引き下げた。
また、フランスが財政赤字削減に向けた措置によって、
政府債務を今後2〜3年で安定化できるようであれば、
現在の格付けを確認し、見通しを「安定的」にする
との見方を示している。
マースニク氏はロイターに対し「われわれは、今年と
来年の一般政府債務が拡大すると予想する。フランスが
2015年に債務を安定できるかどうかは未だ不透明だ」
と述べた。
仏政府は、債務の対国内総生産(GDP)比が
2015年に93%と、2013年の93.6%、
2014年の94.3%から低下すると予想している。
同氏は「2014年予算に赤字削減に向けた追加措置が
盛り込まれるとの予想を認識している」と述べた。
仏経済情勢については「今年は軽度のリセッション
(景気後退)、その後は緩慢なペースでの回復になる
と予想する」と述べた。
S&Pは、仏経済が今年0.2%縮小すると予想。
来年については、政府予想の約半分の水準となる
プラス0.6%の伸びにとどまるとの見通しを示している。
また、来年の仏財政赤字が対GDP比で3.3%と、
今年の3.8%から縮小すると予想している。
マースニク氏は、経済成長見通しの一段の悪化、
もしくは経済が労働市場やサービス部門の硬直性継続に
よって脅かされることを、格下げ誘発の要因に挙げた。
さらに、国家債務が対GDP比で昨年の90%超から拡大し
100%を超える、もしくは仏国債利回りの上昇につながる
ユーロ圏危機の再発も、格下げの要因と指摘した。
ただ、これら要因を相殺する要素も存在し得ることから、
これら悪要因が実際に発生した場合でも、自動的に格下げに
つながるわけではないと説明した。