中国短期市場の金利急上昇、影の金融システムが影響=新華社

新華社は23日付で解説記事を掲載し、中国には
十分な流動性があり、最近の短期金融市場の
金利急上昇は、投機的取引や影の金融システムの
広がりによって引き起こされた市場のゆがみの
結果だと指摘した。

新華社によるコメントは、ここ数年で拡大した
銀行融資以外の金融取引、いわゆる
「シャドーバンキング(影の銀行)」の
広がりを抑えるために、中国人民銀行
中央銀行)が流動性供給に消極的に
なっているとのアナリスト観測を確認するもの。

新華社は、市場には十分な流動性があるとし、
マネーサプライ(通貨供給量)統計の中で、
広範な指標であるM2の伸び率が5月は
前年同月比15.8%となっている上、
「社会融資総量(TSF)」は1兆元以上
だったとのデータを根拠として示した。

解説の中で、「銀行や株式市場、中小企業の資金は
細っているが、市場には流動性が十分に
供給されている」と指摘。

「大企業の多くは依然、相当な投資をし、
理財商品(WMP)をかなり購入している。
投機的な投資を求める大量のホットマネーがあり、
民間の融資も広がりをみせている」としている。

人民銀は23日、第2・四半期の金融政策報告の中で、
穏健な金融政策と緩やかな融資の伸びを確保することに
コミットしていると再度表明した。

流動性をより管理できるように金融政策の複数の
ツールを活用することで、資金が実体経済に回り、
景気の立て直しを支援するようになるとしている。