各国中銀、緩和策解除を遅らせるべきではない=BIS

国際決済銀行(BIS)は年次報告で、各国中銀は、
市場の混乱を恐れて量的緩和策などの解除を
遅らせてはならないとの見解を示した。

中銀が解除を示唆することで市場は混乱する見込みで、
混乱を回避するために解除を遅らせることで
リスクがいずれ高まるとしている。

報告では「(中銀は)時期尚早な解除によるリスクと、
出口を遅らせることによるリスクのバランスを的確に
計る必要がある。現在の緩和的状況が長引けば、
出口での課題も増す」と指摘。

各国の政策が他国経済に及ぼす影響も勘案すべきとし、
「中銀間がこれまで以上に政策協調をすべき必要性を
必ずしも示すわけではない。世界経済への副作用や
個別の政策決定により引き起こされる反響により重点を
置くことは、少なくとも各国中銀の利益に
つながるだろう」との見方を示した。

「出口を制御する手段は整っており、一部は試用されている。
しかし中銀は出口策の規模や範囲は前例がないことを認識すべき」
とした上で、「この点により、関連する不透明性と円滑には
進まないリスクが増す」と指摘した。

BISは、各国中銀は選択肢を検討する必要があるとし、
利上げの前に大規模な資産買い入れを必ずしも解除する
必要性はないとして、「預金ツール、超過準備への付利、
期間レポなど、バランスシート政策と金利政策を分離する
幅広い選択肢がある」とした。