米FRB、緩和縮小着手は時期尚早=サンフランシスコ連銀総裁

米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は28日、
米経済が予想を上回る回復を見せ、労働市場の改善が
継続するとの兆候が出ているものの、連邦準備理事会
FRB)はまだ資産買い入れ規模を縮小するべきではない
との見解を示した。

同総裁は講演原稿で「今、行動を起こすべき時だろうか。
私の答えは、まだ時期尚早だというものだ」と述べた。

5月時点では、予想通り景気回復が進めば夏までに
資産買い入れの縮小に着手し、年末までに終了する
可能性があるとの見通しを示していた。

ウィリアムズ総裁は講演原稿で、財政緊縮策や
欧州情勢を米経済へのリスク要因に挙げ、
「経済が勢いを保てることを確かめる必要が
ある」と指摘。

さらに「インフレ率が予想を下回り続けることがないか、
持続的に低下する兆しがないか見極めるためもう少し
待つことが賢明だ」としている。

経済見通しについては、失業率が年末までに7.25%前後に低下し
2014年末までに6.75%まで下がると予想。

実質成長率は2013年が2.25%、2014年が3.25%とし、
いずれも5月に示した予想とほぼ同じだった。

インフレ率は緩やかに上昇し2015年に
1.75%付近に達するとの見通しを示した。

その上で「この見通しどおりなら、いずれ資産買い入れを
縮小し終了することが適切となる」とした。

ただ、資産買い入れが終了しても、インフレが
抑制されている限り失業率が少なくとも6.5%に
低下するまで低金利を維持することが適切との
方針は変わらないと指摘した。

また資産買い入れの縮小は金融引き締めには当たらないとし、
経済指標が予想を下回れば、緩和解除に向けた計画を見直す
方針を改めて表明した。