英中銀7月金融政策委、新総裁迎え全員一致で政策維持決定=議事録

イングランド銀行(英中央銀行BOE)が17日発表した
7月3〜4日の金融政策委員会の議事録によると、
資産買い入れ枠据え置きは9対0で決定した。

金利据え置きも9対0で決定していた。

7月の会合は、カナダ中銀総裁を務めていた
マーク・カーニー新総裁を迎えて
初の金融政策委員会となった。

議事録によると、予想とは裏腹に、これまで経済の
弱さを理由に資産買い入れ枠の拡大を求めていた
金融政策委のメンバーらは、BOEが将来の金利
関するより明確なガイダンスを提示するかどうか
決定するまで、主張を控えることは理に適っていると指摘した。

オズボーン英財務相BOEのカーニー総裁に対し、
金利ガイダンスに関する報告を8月上旬までに
行うように求めている。

議事録の中で金融政策委員会は、数値基準と
フォワドガイダンスの実施について発表する場合は、
8月1日の次回政策委ではなく8月7日の
インフレ報告で行うとした。

議事録によると、何人かのメンバーは7月の
金融政策委員会で、通常ならば一段の緩和に
賛成票を投じただろうと発言。

また、一段の緩和は引き続き「正当だ」とした。

これらメンバーは「資産買い入れプログラムの拡大は
依然として刺激策の1つの手段だが、金融政策委員会は
1カ月間にその他の選択肢を精査するだろう。そのため、
今回の会合では拡大を開始しないことが賢明だ」と述べた。

ここ数カ月の金融政策委では、フィッシャー理事と
マイルズ委員が、退任したキング前総裁とともに
250億ポンドの資産買い入れ枠拡大を支持していた。

その他のメンバーは1カ月間で
考えをほとんど変えなかったようだ。

何人かのメンバーは、たとえ実際に一段の刺激策が
必要だとしても、債券買い入れ拡大の効果は疑問だと
する考えを改めて示した。

カーニー総裁は、BOEを刷新し、将来の金利に関する
より長期的なガイダンスを提示するとみられている。

この手法はカナダ中銀総裁時の2009年に実施し、
大胆な考えだとされてカーニー氏の評価を高めた。

BOEは7月の金融政策委員会後に発表した声明の中で、
市場による利上げの織り込みは早計との見方を示し、
将来の金融政策に関するガイダンスの提示に
踏み切る構えを示唆した。

金融政策委員会メンバーらは、将来の金融政策の動向と
インフレ以外の経済指標とを結びつける
「インターミディエイト・スレッショウルズ
(数値基準)」を利用すべきかどうか議論を深めている。

オズボーン財務相は先週、記者団に対し、金融政策に関する
BOEのより明確なガイダンスは家計による金融面の決定を
手助けすることになると述べ、世界経済は依然として
「金融行動主義」のサポートを必要としているとの認識を示した。

議事録は経済について「順調に回復している」
としつつ、回復は引き続き弱いと指摘した。