ユーロ圏・スペインにも大きな経済的不均衡=IMF報告書

国際通貨基金IMF)は13日、経済の不均衡と為替レートに
関する報告書を公表し、不均衡が比較的大きく世界経済の
安定成長へのリスクになっている国・地域にスペインと
ユーロ圏を新たに加えた。

スペインについては、大幅な歳出削減と増税により
財政赤字への取り組みに進展が見られたとしながらも、
経済成長は依然としてぜい弱で債務は増え続けている
と指摘した。

ユーロ圏はギリシャアイルランドなど一部加盟国の
救済により、高水準の債務が負担になっている
との見解を示した。

また財政赤字を抱える加盟国が経済改革に取り組んだ結果、
ユーロ圏全体では経常黒字が増加しているが、域内では
大幅な格差が存在するとしている。

2011年に公表した前回の報告書では、中国、フランス、ドイツ、
インド、日本、英国、米国を不均衡の大きい国として挙げていた。

IMFは最新の報告書で、不均衡は
金融危機以降ある程度是正されたと指摘。

過大な貯蓄や借り入れを減らす「健全な」形で
改善が進んだことが一因としながらも、消費者の
需要が鈍く成長が鈍化したことも要因と分析した。

また先進国は大規模な財政赤字への対処が不十分で、
将来脆弱さが表面化する可能性があり、高齢化などへの
対応が困難になるとの見方を示した。

「成長を支援する形で対内、対外両方の不均衡を
さらに是正する必要がある」としている。