カナダ中銀が政策金利据え置き、声明から利上げ示唆する文言削除

カナダ銀行中央銀行)は23日、政策金利である
翌日物金利を予想通り1%に据え置いた。

また、成長が予想を下回り、低インフレが
長引く恐れがあるとして、2012年4月以降初めて、
将来の利上げに関する文言を声明から削除した。

前月の声明にあった、金利水準の「段階的な正常化」
との文言が今回の声明から削除されている。

中銀は声明で、インフレ率は過去1年半にわたり
中銀が目標とする2%を下回って推移していると指摘。

このことは「インフレに対する下方リスクの重大性が
増していることを示唆している」とした。

ただ「家計の不均衡はすでに高まっているが、
さらに悪化するリスクを中銀は考慮する必要がある」とし、
「こうした点を考慮し、中銀は現在実施されている著しい
金融刺激は引き続き適切と判断し、翌日物金利を1%に
据え置くことを決定した」とした。

中銀は今年第3・四半期の成長率見通しを年率換算で
1.8%とし、前回予想の3.8%から下方修正。

第4・四半期は2.3%とし、2.5%から引き下げた。

2014年の成長率見通しは2.3%とし、
これまでの2.7%から下方修正した。

中銀は米国の今年下半期の成長率予想も引き下げ、
米経済の成長鈍化により「7月時点の予想と比べ
カナダの輸出は弱含む」との見方を示した。

世界経済ついては、ユーロ圏、日本、中国が予想外に
好調なことから、これまでの見通しをほぼ踏襲。

ただカナダの輸出の大部分は米国向けとなっていることから、
こうした状況はカナダ経済にはむしろ不利になるとの見方を
示した。

今回の政策決定会合は、ポロズ総裁就任後3回目となる。