英中銀、銀行への流動性供給条件を緩和=カーニー総裁

イングランド銀行(英中央銀行BOE)は、
流動性ひっ迫による景気失速を回避するため、
銀行に対する中銀貸し出しの担保要件を
緩和すると同時に、費用を引き下げる。

カーニー総裁が24日、英フィナンシャル・タイムズ紙主催の
イベントにおける講演で明らかにした。

カーニー総裁は、中銀が融資促進策を終了し、量的緩和策を
解除すれば、現在はほとんど使われていない中銀の
流動性供給ファシリティーの利用が増えるとの見方を示した。

BOEは2007年から始まった金融危機の際に、
当時総裁だったキング氏の銀行への流動性供給に
関する消極姿勢が批判を浴びたことを受け、
流動性供給手法の手直しを行った。

しかしカーニー総裁は、これから行う改革は「大幅」だ
と述べた上で、ブローカーディーラーなどのノンバンク支援や
外貨不足緩和に向けた対策も講じていく可能性を示唆した。

一方でカーニー総裁は、銀行に対する規制を
和らげるつもりはないと強調。

流動性供給条件の緩和は、金融機関がバランスシートを
慎重に運営する必要性に対する免罪符を意味するわけではない」
とも語り、銀行は引き続き細心の注意を払って資金調達を
行っていくべきだと訴えた。

総裁は「われわれはシティ(ロンドンの金融街)の
応援団ではない。重要なのはいくつかの事実を
認識することだ。ロンドンは世界的な金融センターであり、
英国はオープンな世界の金融システムを維持する役割を
果たしている」と主張した。

さらに総裁は「一部(の批判派)は、英国の
金融サービス業界が消滅とまではいかなくとも、
縮小すれば良いと思っている。金融危機の後では
そうした雰囲気にはほとんど抗い難くなった。
だが、適正な組織化ができれば、活動的な
金融セクターは大きな利益をもたらす」としている。

総裁は講演で英経済の動向や金融政策に言及しなかった。

その後の質疑では、利上げについて、固定的な時間軸は
持ち合わせておらず、失業率が7%に低下した段階で
検討するとの考えを改めて表明した。