ドラギ総裁、国債のリスクウエート変更提案を阻止せず=ECB

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、国債
リスクウエートの変更を盛り込んだ提案を阻止してはいない。

ドイツの週刊誌シュピーゲルの報道を受けて、
ECBの報道官が25日、書面で説明した。

シュピーゲルによると、欧州システミックリスク理事会
ESRB)の理事長も務めるドラギ氏は、国債
リスク評価方法を変更する内容のESRBからの
提案を差し戻した。

この提案が実行されれば、銀行は、国債のデフォルト
債務不履行)リスクに備えて資本増強を迫られる可能性がある。

ECBの報道官は「ECB総裁は、ESRBの理事長として、
金融機関が保有する国債のリスクウエート変更提案を
阻止してはいない」と説明。

ESRBの一般理事会は9月、アドバイザーの報告書を
検討してその検討後に公表することを決定した」
と付け加えた。

国債のリスクウエートは現在、ゼロに設定されており、
国債への投資に対して銀行には自己資本を積み増す
義務はない。段階的に導入が進んでいる新自己資本規制
バーゼルⅢ」でもリスクウエートはゼロとなっている。

ユーロ圏のソブリン危機により、リスク資産に対する
理論上安全なバッファーとして国債を購入することの
危険性が浮き彫りとなった経緯がある。