消費増税の影響は判定難しい、必要なら政策調整=日銀総裁

日銀は19〜20日に開いた金融政策決定会合で、
声明文に消費増税による駆け込み需要と反動減の
影響を注視する一文を初めて書き込んだ。

黒田東彦総裁は会見で異次元緩和は2015年以降も
未曾有の国債買入れを継続する「無期限
(オープンエンド)緩和」であることを認めた。

毎月の国債買入れペースは来年以降も大きく変わらないとし
市場関係者の懸念払しょくに努めた。

金融政策は年間60兆〜70兆円マネタリーベース
(資金供給量)を増やす現行の異次元緩和を
維持すると9人の政策委員の全員一致で決めた。

国内景気の現状判断は「緩やかに回復している」
とし、前回までの判断を据え置いた。

ただ国内経済の先行きについて「消費税率引き上げに
伴う駆け込み需要とその反動の影響を受けつつも、
基調的には緩やかな回復を続けていく」との文言を
初めて書き入れた。

黒田総裁は会見で「駆け込みと反動減が、どの程度の
規模で起こっているか判定するのはそう簡単でない」と指摘。

「非耐久財は(増税実施時期の)近くでないと
わからない」などと懸念を列挙。

「今後の動向を十分注視していく」とし、
声明文で「わざわざ触れた」と説明した。

総裁が2日の講演・会見で、異次元緩和が「2年で
終わるとの誤解が外国人に多い」とした点について、
ロイターが「異次元緩和は2%を目指すオープンエンド
(無期限)という意味か」と質問したところ、総裁は認め、
3年目以降も未曽有の国債買い入れが続く可能性を示唆。

さらに「上下双方向のリスクを点検し、必要に応じて
調整を行う」と追加緩和を辞さない姿勢を繰り返した。

日銀は毎年50兆円程度のペースで保有する
国債の残高を増やす計画だが、異次元緩和が
4月に始まったため、2014年以降は、毎月の
買入れ額が現行の7兆円程度から減るのでは
との懸念が市場関係者の間で浮上している。

総裁は「実際の買い入れ額は(満期が来た国債の)
償還額などを踏まえ弾力的に運用するため、ある程度
幅を持ってみる必要がある」とし、「現在の
買い入れペースが大きく変わるとは思っていない」
と述べた。

来年3月に期限がくる成長基盤強化支援と
貸出増加支援制度について「利用や貸出動向など
踏まえ今後検討する」と述べた。