独連銀総裁、銀行のLTRO資金使途めぐりジレンマ

イトマン独連銀総裁は、欧州中央銀行(ECB)が
銀行への長期資金供給オペ(LTRO)を再開する場合、
資金が国債にばかり回ることのないよう、ECBは
対策を講じる必要がある、との見方を明らかにした。

独週刊誌ビルトシャフツ・ボッヘのインタビューで述べた。

総裁は一方で、ECBは銀行のビジネス上の決定に
介入すべきではないとも述べ、銀行がどのプロジェクトに
融資すべきなのか、ECBが口を出し過ぎることは
望ましくないと強調。

銀行のLTRO資金の使途に、ECBが
影響を及ぼすことの難しさをにじませた。

アナリストの多くは、ECBが来年、
LTROを再開すると予想している。

ECBは2011年末と2012年初頭の2度のオペで、
総額1兆ユーロ(約1兆4000億ドル)超の
3年物資金を供給した。

総裁は「特定の地域やセクターへの融資を
微調整する役割をECBが担うことには、
私は原則的に懐疑的だ」と述べ、「中央銀行
銀行のビジネス上の決定に、介入すべきではない」
との認識を示した。

その上で総裁は、銀行が過去のLTROで得た
資金の大半を国債購入に回したことについて
遺憾の意を示した。

「今後オペを再開する場合には、こうした状況は
避けなければならない。最も簡単な方法はプライシングに
よるものだ」と述べたが、詳細には触れなかった。

総裁は、ユーロ圏のデフレリスクは
限定的、との見方を示した。

また、ECBは必要があれば
行動の用意があると述べた。

ただ金利がゼロ付近に下がる中、
伝統的手法は効果が落ちていると指摘した。