英国の生産性低下、ゾンビ企業の影響は軽微=中銀報告書

英中銀は20日、同国の経済生産性が大幅に
低下していることについて、銀行の支援だけで
生き延びている「ゾンビ企業」は大きな原因とは
なっていない、との調査報告書をまとめた。

日本の「失われた10年」では、回復の見込みのない
ゾンビ企業が銀行の支援を受けて生き延び、競争力のある
企業の成長を妨げたとの批判が出ており、一部の
アナリストは、英国でも同じことが起きているのでは
ないかと指摘している。

中銀がまとめた報告書によると、銀行が融資条件の
違反を容認した小規模企業は全体の6%。

銀行の支援を受けている小規模企業は、他の小規模企業に
比べて生産性が平均で40%低いが、数が少ないため、
国内の生産性や銀行システムの安定に及ぼす影響は
大きくないと考えられるという。

報告書は「近年そうした企業が生き残っているのは
金利の恩恵が大きい。したがって、景気の回復を
伴わずに金利が上昇した場合は打撃を受けやすくなる」
と指摘した。

中銀のデール理事は先週、金融危機時に銀行融資を
断られた企業が積極的な借り入れを控えていることが、
生産性低迷の一因になっている可能性がある
との認識を示した。