トルコ中銀が大幅利上げ、今後も引き締めを維持

トルコ中銀は緊急の金融政策決定会合を開き、
主要政策金利をすべて大幅に引き上げた。

同国の通貨リラは、国内政局の混乱や
量的緩和の縮小に対する懸念で下落しており、
中銀が市場の圧力に屈した形となった。

翌日物貸出金利は7.75%から12%に、
1週間物レポレートは4.50%から10%に、
翌日物借入金利を3.5%から8%に
それぞれ引き上げた。

中銀の発表に先立ち、トルコのエルドアン首相は、
利上げに反対する立場を改めて表明していたが、
首相の意向を無視して通貨防衛を優先した形となった。

大幅利上げを受け、リラは28日終盤の
1ドル=2.25リラから2.18リラに上昇。
27日には最安値の2.39リラをつけていた。

中銀は緊急の金融政策決定会合後に発表した声明で、
インフレ見通しが明確に改善するまでは、
引き締め政策を維持すると表明。

こうした措置により、インフレ率は
2015年半ばに5%に低下すると予想した。

今後は限界貸し出し金利に代わり期間1週間の
レポ金利で資金供給する方針も示した。

中銀はこれまで利上げに消極的で、外貨準備を
活用した通貨防衛を目指してきたが、方針転換を
迫られた格好となった。

政府は今年の経済成長率を4%と予測しているが、
大胆な利上げは国内の経済成長に大きな影響を
及ぼしかねない。

トルコでは2カ月後から選挙が始まる。

利上げに反対するエルドアン首相は
金利を要求する」投機筋が国内の
経済成長を阻もうとしていると批判。

「私はこれまでと変わらず利上げには
反対だということを知っておいてほしい」
とした上で「当然、中銀に介入する権限は
私にはない」と述べていた。

中銀が利上げの決定を事前に
首相に知らせていたかは不明。