米金利、景気回復進むにつれ上昇する必要=イエレンFRB議長

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は16日、
FRBが掲げるインフレ目標に下方リスクが存在すると
しつつも、景気の回復と共にフェデラルファンド
(FF)金利は上昇する必要があるとの見解を示した。

イエレン議長はエコノミック・クラブで行った
講演後の質疑応答で「金融政策は現在、極めて
緩和的となっているが、景気回復が進むにつれて、
(インフレ率が)目標を上回ることを回避するため、
金融政策を引き締める必要があるということが
明確であることを望む」と語った。

その上で、インフレ率が目標を超えた場合、
過去の教訓から「反転させるには多大なコストを
要する恐れがある」と述べた。

また同議長は、完全雇用に向けて「極めて
意義のある進展」を遂げたとしつつも、
今後の道のりは長いとの見解を示した。

イエレン議長はエコノミック・クラブでの
講演後に行われた質疑応答で「明らかに
現時点で目標には達していないが、非常に
意義のある進展を確認している」と語った。

さらに、同議長は景気やインフレが予想から
かい離する事態に備え、FRBは警戒を
怠るべきではないとの見解を示した。

イエレン議長はエコノミック・クラブで行った
講演後の質疑応答で、今後数月後の展開を注視し、
予断を持たず非常に注意深く評価を下していく
必要があると語った。

雇用市場に弾みがつくにつれ、長期失業者が
異例の高水準となっている状況が、賃金による
物価上昇圧力を抑制するとの見解を改めて示した。

ただ、「サプライズもあり得る」とし、FRB
固定的な見方をすべきでないと強調した。

その上で、起こる公算が大きいとは
みなしていないものの、排除していない
サプライズのひとつとして「インフレ率が
想定されている時期よりも前に、対処を
必要とする水準に上昇する可能性」を指摘し、
FRBは注視していく」と強調した。