ECB、ユーロ高続けば行動不可避=メルシュ専務理事

欧州中央銀行(ECB)のメルシュ専務理事は17日、
ユーロ相場の上昇が継続すれば、ECBの対応は
「不可避」になると述べた。

ドラギECB総裁は前週末、ユーロ高が進めば、
追加的な金融緩和が必要となる可能性があると表明。

メルシュ専務理事は記者団に対し、「(為替相場の)
こうした動向が続くようなら、ECBは緩和的な
金融政策スタンスの維持に向け、対応を迫られることに
なるだろう」と語り、一段と踏み込んだ考えを示した。

その上で、ECBが中期的な展望に立っていることから、
毎月発表のインフレ指標には反応しないと強調した。

ユーロ相場が上昇すれば輸入の
コストが低下し、消費者の購買力は増大する。

ただECBはインフレ期待の低下は
回避したいとしている。

ECBはインフレ率について、2%を若干下回る水準を
目標としているが、ユーロ圏のインフレ率は現在0.5%。

また、ユーロ/ドルは現在約1.38ドルと、
前年と比べて約5.5%高い水準で推移している。

ただ、メルシュ専務理事はECBが対処に動く
具体的な為替水準については言及しなかった。

ECBが懸念するユーロ/ドルの水準に関する
質問に対しては、「ECBは為替相場をターゲットに
しない」とした上で、「ECBは内外双方の安定を
含めた物価安定目標を掲げており、私はこの安定
という言葉を強調したい」と応じた。

ECBの主要政策金利である
ファイナンス金利は現在、過去最低となる0.25%。

標準的な金融政策措置が限界に近づくなか、
ECBは3日の理事会で、量的緩和実施の
可能性にも道を開いている。