ECBは為替相場勘案すべき、中銀は通貨戦争回避で協力を=クーレ理事

欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事は23日、
中銀は協調して通貨戦争を回避する必要があると
する一方、ECBは金融政策を検討する上で
ユーロ相場を勘案すべきとの考えを示した。
パリの講演で述べた。

専務理事に対しては、ECBの観点から中銀は
金融政策運営で為替レートを考慮すべきか、
現在、通貨戦争は起こっているか、この点において
国際協調は必要かとの質問が上がった。

専務理事はECBの観点から中銀は為替レートを
考慮すべきかとの質問に対して「そのとおりだ」
としながら、これは複雑な問題との認識を示した。

通貨戦争は現在起こっていないとしたが、
「将来起こる可能性があり、回避するための
枠組みが必要」と述べた。

その上で、競争的な通貨切り下げは回避すべき
との20カ国・地域(G20)の原則は
守られていると指摘した。

ECBの追加緩和をめぐっては、理事会は
必要なら標準的、非標準的措置を講じることで
一致していると強調。

下限金利である中銀預金金利のマイナスへの
引き下げについては「選択肢の1つ」としたが、
「これは為替政策ではない」と言明した。

また低金利が長期化すれば、資産バブルのリスクは
増大するとし、各国がマクロプルデンシャル政策を
断固として活用する必要があるとの考えを示した。