米公定歩合4月は3地区連銀が引き上げ要求、景気判断は上方修正

米連邦準備理事会(FRB)が27日公表した
4月の公定歩合会合の議事要旨から、フィラデルフィア
カンザスシティー、ダラスの3地区連銀が公定歩合
現在の0.75%から1.0%に引き上げるよう求めていたことが
分かった。

3地区連銀は、公定歩合金利フェデラルファンド
(FF)金利の差を金融危機前の水準である1%に
戻すことが、現在と今後予想される経済情勢に
よって正当化されると主張した。

残りの9地区は据え置きを要求した。

地区連銀当局者の間で景気に対する
明るい見方が広がっていることも明らかになった。

議事要旨によると、連銀当局者の大半は「経済が
緩やかなペースで拡大を続けるとの前向きな見方を
示した」と指摘した。

前月は、異例の寒波が経済成長に影響した後、
景気が緩やかなペースで拡大を続けるとの
「慎重ながら楽観的な見方を維持している」
としていた。

一部連銀当局者は、住宅用融資は鈍化を
続けているものの、建設活動の増加や
商業融資の拡大を指摘。さらに、所得によって
差はあるものの、消費支出は拡大したと報告した。

また、雇用関連指標が「それなりに心強い内容」
となっているものの、企業は引き続き採用に
慎重になっているほか、熟練労働者を探すのが
難しい状況になっていると指摘した。

議事要旨は「食品や商品価格の最近の上昇にも
かかわらず、連銀当局者は長期インフレ期待に
変化はなく、引き続き安定的との見解を示した」とし、
大半の地区連銀が公定歩合の据え置きを求めた
と説明した。