世界経済は3%成長、米緩和縮小や中国金融市場などリスク=内閣府

内閣府は7日、世界経済の現状や見通しを
分析した報告書「世界の潮流」をまとめ、
今年の世界経済は米国の回復や欧州の持ち直しで
3%程度成長するとの見通しを示した。

一方で、米国の金融緩和縮小や欧州のデフレ懸念、
一部の新興国経済やウクライナ情勢がリスクとなる
と指摘。

中国の金融リスクが経済活動を
下押しする可能性があるとした。

今年の世界経済に関しては、中国や新興国など
一部で弱さが見られるものの、米国の緩やかな
回復や欧州の持ち直しなど、全体として緩やかに
回復すると指摘。

米国では雇用・所得環境の改善や住宅価格、
株価上昇などを背景に消費が増加し、景気は
緩やかに回復するとみている。

欧州も英国が回復しているほか、ユーロ圏では
ドイツがけん引し、持ち直しの動きが続くと
分析している。

一方で、アジアは中国の景気拡大テンポが
緩やかになっているほか、東南アジア諸国連合
ASEAN)加盟国の景気は足踏み状態だとし、
先行きも低めの成長率が続くとみている。

リスク要因としては、米国の金融緩和縮小に
よる影響、ユーロ圏の低インフレの長期化、
中国の金融市場をめぐる動向、新興国
金融市場の不安定化、地政学リスクを挙げ、
中国に関してはシャドーバンキング(影の銀行)
による過剰な信用拡大とそれを抑制する取り組みに
より不動産価格や金融市場で不安定な動きが見られる
と指摘。

シャドーバンキング部門からの資金への依存度が
高いとみられる中小製造業、不動産業を中心に
リスクプレミアムの上昇や融資の縮小が大きければ
経済活動を下押しする可能性があるとしている。
報告書ではさらに、新興国の成長鈍化の背景も分析。

2008年のリーマン・ショックを受けた
世界金融危機以降、グローバル化
テンポ鈍化や中国経済の減速、2013年以降の
金融市場の混乱で資源国を中心に経済は
減速傾向にあるとしている。

また、国際サプライチェーンでの活動度合いについて、
輸出における部品輸入依存度を見たところ、
中国は低下し、インドが拡大傾向にあると分析。

中国は最終財を組み立て輸出する役割から中間財を
輸出する役割に変化していると指摘している。