ユーロ高、域内の景気回復にリスク=ドラギECB総裁

ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は、ユーロ高は
域内の持続的な景気回復にとってリスクになる
との考えを示した。

総裁は、欧州議会の経済金融問題委員会で、為替レートが
ECBの政策目標ではないとの立場を強調。

一方、為替が今後、ユーロ圏のインフレ率に影響を
及ぼす重要な要素になるとの見方も示した。

「2012年半ば以降のユーロの上昇は、
物価安定に対して明らかに影響があった」と指摘。

「現在の状況では、為替レートの上昇は
回復の持続性にとってリスクとなる」と語った。

ユーロ高をめぐっては、域内の輸出競争力を
妨げる恐れがあるとして、フランス政府や
エアバスのファブリス・ブレジエ最高経営責任者
(CEO)など官民双方からECBに対応を
求める声も挙がっている。

域内経済について、ドラギ総裁は、今後も
穏やかな回復が続く見込みだが、見通しに
対するリスクは下向きだとの見方を示した。

総裁は「極めて低いインフレ率が過度に
長期化するリスク」に対応するため、必要に
応じて非伝統的手段を活用することで
ECB理事会は一致していると指摘。

量的緩和QE)は明白に
ECBの責務の範囲内だ」とした。

ドラギ氏が総裁職を辞任しイタリアに戻る
可能性があるとの報道に関しては「わたしは
現在ECBにおり、今後もとどまる意向だ。
これに反するうわさは利害関係者からのものと
思われ、根拠はない」とし、報道内容を否定した。

また、ECBとして非常に緩和的な
金融政策を維持するとの立場を表明。

「インフレ見通しを踏まえ、ECBは主要金利
長期間にわたり現行水準にとどめる」と述べた。