次期欧州委員長にユンケル氏、欧州議会が承認

欧州議会は15日、ユンケル前ルクセンブルク首相を
次期欧州委員長に指名する人事を承認した。

採決の結果、賛成422票、反対250票、
棄権47票、無効10票で承認された。

ユンケル氏を委員長候補として擁立した最大会派・
中道右派の欧州人民党(EPP)とともに、
社会主義系及びリベラル系の議員が支持に回った。

承認を受け、ユンケル氏は11月1日に欧州連合
EU)の執行機関である欧州委員会のトップに
就任が予定されている。

その前に、新体制の発足に向け、各委員候補者の
承認に向けた公聴会が9月に開かれ、10月に
委員候補者全体に対する信任投票が実施される。

ユンケル氏は議会に対し、向こう3年にわたる
総額3000億ユーロ(4090億ドル)の
官民投資プログラムを約束。

エネルギー、輸送、ブロードバンドネットワークや
産業クラスターといった部門に投資するという。

同氏は「欧州の再産業化が必要だ」と強調した。

ユンケル氏はまた、EUは多くの人々からの信頼を
失っていると認めた上で、EU機関をめぐる際限ない
議論ではなく、経済での成果と完全雇用のみが
信頼感の回復につながると強調した。

同氏は、EUの権限縮小を求める英国を念頭に、
EUは「小さな問題」に介入せず、共通の
大きな課題に取り組むべきだと表明した。

ユンケル氏はまた、持論であるEU共通の
最低賃金の導入に向けた取り組みを行うと述べた。

また、欧州の公共サービスを
時代の潮流から守ると宣言した。