駆け込み需要の反動の影響、次第に和らいでいく=7月の日銀月報

日銀は16日公表した7月の金融経済月報で、
景気の現状判断を据え置く一方、先行きは
消費税引き上げに伴う「駆け込み需要の反動の
影響も次第に和らいでいく」とし、景気・物価が
日銀の想定通りに推移するとの見方を改めて強調した。

景気の現状については、駆け込み需要の反動がみられるが
「基調的には緩やかな回復を続けている」との従来判断を
据え置いた。

生産についても「基調として緩やかな増加を続けている」
との判断を繰り返したが、6月月報での「反動の影響を
受けつつも」との文言に代わり「振れを伴いつつも」
との文言を加えた。

また企業の業況感は「反動の影響がみられているが、
総じて良好な水準を維持している」との表現を加えた。

景気の先行きについて、6月月報では「反動の影響を
受けつつも、基調的には緩やかな回復を続けていく」
としているが、今回は「反動の影響も次第に和らいでいく」
との表現を加えることで、反動の影響が徐々に弱まりつつ
あるとの判断を強調した。

消費者物価指数の見通しは「しばらくの間1%台前半で
推移する」との従来表現を据え置いた。

日銀は巨額の国債買い入れを続けているが、
すでに買い入れた額が膨らむことで、マネタリーベースの
伸び幅は縮小しているため、「前年比4割台前半の伸び」
と従来の「4割台半ば」から引き下げた。

コマーシャル・ペーパー(CP)や社債の発行残高の
前年比は「マイナスとなっている」とした。

6月月報では「概ね前年並み」としていたが、企業が
CP・社債発行から借り入れにシフトしている現状を
反映した。