大学新卒者の給与上昇ペース、金融危機後に鈍化=米SF連銀

大学新卒者の給与の上昇ペースが、昨今のリセッション
(景気後退)以降、他の労働者に比べ鈍化していることが、
21日公表のサンフランシスコ(SF)地区連銀の調査で
分かった。

経済になおぜい弱さが
残ることを示唆している。

SF連銀の研究者が執筆した論文が
最新のエコノミック・レターに掲載された。

論文は「このパターンは2001年のリセッション
(景気後退)後にも見られたが、昨今の景気後退以降の
所得の伸びは過去よりも長い期間抑制されており、
景気後退の深刻さを表している」と分析している。

雇用主は、既存労働者の賃金を変更する場合よりも
自由に新規労働者の待遇や給与を決定できるため、
新卒者の給与水準は労働コストの実態や労働市場
基調的な強さを知る上で、より正確な目安となるという。

ただ賃金の伸び鈍化は、大学新卒者が得る仕事の種類が
変化していることを示しているわけではなく、大学進学が
有効ではないと決め付けることは誤りとの考えを示した。