米労働市場、需給の緩みで賃金の伸び抑制=シカゴ連銀報告

米シカゴ地区連銀は15日、労働市場にスラック
(需給の緩み)が存在していることで賃金の伸びが
抑えられているとする報告書を公表した。

シカゴ連銀は報告書で、現在の労働市場金融危機
見舞われる前と同等の水準にあると仮定すると、
今年6月の実質賃金の上昇率は0.5〜1.0%ポイント
高かったと試算。

米国では現在、平均時間給の上昇率は2%程度と、
インフレ率を若干上回る水準にとどまっている。

シカゴ連銀のエコノミスト、ダニエル・アーロンソン氏と、
アンドリュー・ジョーダン氏は報告書のなかで、正規雇用
望みながらもパートタイム勤務に従事している労働者が
多いことが、賃金の伸びが鈍いことに密接に関連していると
指摘。

また、職探しの期間が1カ月以上6カ月未満と
なっている失業者の数が増えていることも、
賃金の上昇に歯止めをかけているとも分析。

両氏によると、こうした失業者が多いほど
賃金が低下する傾向がある。