労働市場は急回復、早期利上げには不十分=FOMC議事要旨

米連邦準備理事会(FRB)は20日、7月29〜30日分の
連邦公開市場委員会FOMC)議事要旨を公表した。

それによると、FRB労働市場の予想以上に
急速な回復を遂げているとしたものの、
さらに確固たる回復が示されるまでは利上げの
前倒しを望んでいないことが明らかになった。

議事要旨は「労働市場の状況は長期的に
正常とされる水準に著しく近づいた」とし、
ここ1年間の改善が「予想以上」だったことに
「総じて同意」した。

FOMC後に発表した声明でFRBは、労働市場
「著しい」緩みがあると指摘したが、多くの参加者は
この評価について「近いうちに変えねば
ならないかもしれない」との認識を示した。

ただ、利上げ開始時期の見通しについては、
いかなる変更も「経済活動や労働市場
物価上昇率に関する今後の動向次第」とした。

参加者は利上げの枠組みの多くの
要素について大筋で合意に至った。

ほとんどの参加者がフェデラルファンド
(FF)レートを引き続き主要政策金利
することが適切とした。

FFレートの目標については、現在と同じく
25BPの幅を持たせることをほぼ全員が支持した。

FRBは2008年12月以来、
FFレートを0〜0.25%に維持している。

大半の参加者は、超過準備預金に対して金利
支払うことで、政策金利の上限を設定できるとした。

下限はリバースレポ金利
同じ水準に設定されることになる。

最初の利上げ後も当面、保有証券の償還資金再投資を
継続することに「ほとんどの」参加者が賛成していると表明。

前回の議事要旨では「多くの」参加者にとどまっていた。

一部参加者は、第1・四半期がマイナス成長と
なったことについて、経済が予想よりも弱まっている
ことの表れとも捉えられると指摘。

また数人の参加者は、低水準のインフレが
金融緩和スタンスを正当化するとの考えを示した。

議事要旨は「FOMCの参加者が雇用の最大化と
2%のインフレ率という目標に向け、達成されたものと
今後見込まれるものという点で進ちょく度合いを協議し、
そうした進展に関するFOMC見解をよりはっきりと
伝えるよう、声明文を充実させることを検討した」
ともしている。

議事要旨の発表直後、
米株式相場は上昇幅を圧縮した。

しかし、その後は素早く持ち直した。

ドルは主要通貨に対し値上がりし、
米国の10年債利回りも上昇した。

利上げ前倒しの確率はやや上がったが、
金利先物は依然として、最初の利上げについて
2015年の7月になると指し示している。