米規制当局、リスク評価の問題で大手行に警告=関係筋

米金融規制当局は世界の大手銀行の一部に対し、
リスク評価体制の不備について口頭で警告し、
迅速な改善を求めた。

事情に詳しい関係筋2人が明らかにした。

このような強制措置は非公式であるため、
関係筋は警告を受けた銀行の特定を控えた。

当局が圧力を強めるなか、銀行はデータ管理・
分析の専門家と新たに契約し、対応している。

2007〜2009年の金融危機後、世界の大手行の
規模は拡大しており、債権やトレーディング
ポジションといった複雑な情報に関わる部門の
数は危機前よりもむしろ増えている。

各銀行はトレーディング業務や資産の質について
全容の把握に苦戦しており、当局はリスク管理
データの不備が要因と考えている。

この結果、規制当局や業界は、米金融システムに
対するリスクの全体像について確信をもって
評価できずにいる。

米連邦準備理事会(FRB)などの規制当局は
公式にも非公式にも銀行に働きかけており、
公式には500億ドル以上の資産を保有する
銀行に対し、リスクに対する内部監視を
強化するよう要請した。

非公式にはここ数カ月の間に強制措置を実施。

当局は国内大手行や外資系銀行の米国事業に対し、
リスク管理上の規制を厳格化しており、
ある銀行監督当局者によると、警告もその一環。

一例としては、ニューヨーク連銀がドイツ銀行
米国事業に対し、「質が低く不正確で信頼できない」
財務報告について批判していたことが関係筋の話で
明らかになっている。

こういった措置は、FRBの銀行ストレステスト
(健全性審査)で判明した一部の脆弱性
基づいている模様だ。