景気判断を下方修正、個人消費「足踏み」=9月の月例経済報告

政府は9月の月例経済報告で景気判断を今年4月以来、
5カ月ぶりに下方修正し、「このところ一部に弱さも
見られる」との文言を入れた。

特に個人消費について、足踏み感が
見られるとして判断を弱めた。

ただ、労働市場の回復が続いており、雇用・所得環境が
改善しているため、「緩やかな回復基調が続いている」
との見方は変えなかった。

先行きの反動長期化のリスクに引き続き言及、
景気の弱さを払しょくできないことへの懸念を示した。

個人消費については、8月まで明確な改善が
見られないことから、下方修正した。

全体の動きを示す消費総合指数が7月に
前月比0.6%低下、新車販売台数は軽自動車の
不振を主因に8月まで3カ月連続で前月比減少。

小売業販売額も7月は前月比で減少するなど、
さえない指標が続いている。

月例経済報告では「消費税率引き上げに伴う
駆け込み需要の反動も徐々に緩和してきているものの、
天候の影響もあってこのところ持ち直しの動きに
足踏みが見られる」と指摘。

そうした中で「消費者マインドも持ち直しの
テンポが緩やかになっている」とした。

先行きについては、夏のボーナスが良かったことなどもあり、
「雇用・所得環境が改善していることから、持ち直して
いくことが期待される」としているが、「反動からの
持ち直しの動きには、品目によってなおばらつきが
見られることなどから、反動が長引く懸念にも留意が
必要」とした。

このほかの項目はほぼ据え置いた。

設備投資と生産には「弱さ」の判断を残した。

設備投資は、機械受注や資本財出荷などが
7月にかけて持ち直しているものの、内容を
見ると反動減がまだ残っており、「増加傾向に
あるものの、このところ弱い動きも見られる」
と慎重な判断を維持している。

生産も7月に若干増加に転じたが、6月の
大幅減少を取り戻すほどではなく、
「弱含んでいる」で据え置いた。

公共投資も、8月の請負金額が減少していることを
踏まえて「堅調」から「総じて堅調」に表現を変更。

貿易サービス収支については「赤字は減少傾向にある」
から「赤字はこのところ横ばいとなっている」に表現を
変更し、国内企業物価については、石油関連製品や
電気料金が数カ月前の原油高鈍化を反映して「緩やかに
上昇している」から、「このところ上昇テンポが
鈍化している」に変更した。

消費者物価は「緩やかな上昇」で
据え置いた。