英中銀、従来予想より長期の低金利維持必要に=首席エコノミスト

イングランド銀行(英中銀)のチーフエコノミスト
アンドルー・ホールデン氏は17日、英経済が
長期低迷に陥るリスクを減らすため、英中銀は
従来考えられていたよりも長期間の低金利維持が
必要になる可能性がある、と指摘した。

ケニルワースで財界人らを前に行う
講演の原稿が事前に公表された。

同氏は、英経済の先行きに関する自身の
認識について、以前より弱気になっている
と述べた。

理由として、世界的な成長鈍化、金融・
政治リスクの拡大、賃金や生産性が
予想通りに回復しない可能性を挙げた。

同氏は「簡単に言うと、より悲観的になっている。
私が3カ月前に予想していたより、低金利
長期間続くことを意味する」と述べた。

市場ではこれまで、英中銀が来年早々にも
利上げに転じるとの見方が大勢を占めていた。

しかし、このところの世界的な株価下落を受けて、
利上げタイミングの見通しは来年後半に向けて
ずれ込んでいる。

同氏はまた、ITVテレビとのインタビューで、
2015年の半ばに中銀が利上げを開始するという
市場の予想は妥当かもしれないとの見方を示した。

同氏は「金融市場を信じるのならば、
来年半ばあたりというのが現在の予想だ。
恐らくそれは見当違いではない」
と述べる一方、ここ3カ月、経済指標の振れが
大きくなっており、指標の振れは金融市場や
英中銀の金融政策委員会の考え方を左右する
とも語った。

さらに、ユーロ圏経済の状況は懸念材料で、
英景気の回復は「完全に磐石なものでは
決してない」ことを意味すると指摘し、
中銀は今利上げに動いて回復を頓挫させる
リスクを冒してはならないと述べた。

インフレ率が2%の目標を大きく下回る状況に
対しては、大幅な上振れの場合と同様に警戒する
必要があるとも指摘した。