「ドル地域」の規模変化、外準構成のシフト加速も=BIS報告

国際決済銀行(BIS)は7日発表した四半期報告で、
貿易などを通じてドルとの結びつきが強い
「ドル地域」の規模が変化することにより、
世界の外貨準備の構成が予想よりも速いペースで
変わる可能性があるとの見解を示した。

BISによると、ドルが準備通貨として独占的な
地位を維持している背景には、主に多くの通貨が
原油や他のドル建てコモディティ(商品)の
貿易を通じてドルにリンクされていることが
あるという。

報告は、こうしたことからドルは1970年代以降、
主要通貨に対し18%、ユーロと円に対しては
50%以上下落しているにもかかわらず、外貨準備に
占める割合は66%から61%へとわずか5%ポイントの
低下にとどまっているとしている。

また、中国経済が短期金融市場と債券市場の発達や
人民元の自由変動相場制を伴って急成長したとしても、
人民元が準備通貨としてドルの地位を超えるには
十分でないと指摘。

一方、人民元がある時点で主要通貨に対して
大幅に変動し、近隣国や貿易相手国の通貨が
その動きに追随した場合は、「人民元ブロック」が
形成される可能性があるとしている。