景気回復で生産性向上との見方、根拠「薄弱」=ウィール英中銀政策委員

イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会の
ウィール委員は8日、景気の回復で生産性が向上する
という見方について、その根拠は「薄弱」と主張した。

ロンドン大学クイーン・メアリー校で講演した。

ウィール委員は「MPC(金融政策委)は、需要が
拡大して生産性も自然に向上するという理由に
基づいて、楽観的なスタンスをとることも
妥当なのかもしれないが、生産性向上を
見込む根拠は弱い」と指摘。

その上で、生産性が伸び悩む場合には、需要が
供給以上に拡大することを防ぐため、金利
短期的に上昇する必要がある、との見方を示した。

英国では金融危機以来、生産性の低さが
大きな問題となっており、景気に回復の
兆候が見え始めても、生産性は中銀の
予想ほどには向上していない。

ウィール委員は、生産性の伸び悩みは
先進国共通の問題であり、英国の生産性問題も
そうした視点で考える必要がある、と述べた。

イングランド銀行の9人の金融政策委員のうち、
ウィール委員とマカファーティー委員の2人のみが
ここ数カ月、利上げを主張している。

ウィール委員はまた、このところの原油価格の
急落について、その短期的な影響を検証するとともに、
2〜3年後のインフレ動向について考えていく必要が
あるとの認識を示した。

講演後の質疑応答で述べた。