欧州銀行業界、2015年は厳しい年に=ムーディーズとS&P

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス
S&Pは8日、欧州の銀行にとって2015年が厳しい年に
なるとの見方を示した。

景気回復の停滞に伴う諸問題が、新たな規制の
強化によって、より難しくなるとしている。

ムーディーズのマネージングディレクター、
カロラ・シューラー氏は、欧州の銀行セクターの
見通しに関するプレゼンテーションで「欧州の
銀行業界は、依然として構造的に脆弱」とし、
収益改善のために、コスト削減とビジネスモデルの
変更が必要との見解を示した。

両社は、銀行セクターに対する暗黙の公的支援を弱め、
債権者に支援への関与を強制させる動きは、銀行の
格付けに対する下方圧力になると指摘。

S&Pのマネージングディレクター、ステファン・ベスト氏は、
別のプレゼンテーションで「欧州におけるベイルイン
(債権者による損失負担)の仕組みによって、公的支援
予見性は低下している」と指摘した。

この結果、S&Pは、欧州の大手50銀行のうち、
4分の3に対して、見通しを「ネガティブ」としている。