S&Pが英国のトリプルA格付け維持、政府の財政目標には疑問符

格付け会社S&Pは12日、
英国のトリプルA格付けを維持した。

ただ、同国の公的債務は政府見通しを
上回る公算が大きく、税収の一層の拡大が
求められる可能性もあるとの見方を示した。

S&Pは声明で「将来の財政再建は、歳出よりも
歳入が配慮される可能性がある」と予想した。

さらに、財政赤字が2014年度に対国内総生産
GDP)比で5.4%と、緩やかなペースでの縮小に
とどまり、2017年度までに同3%に向けて低下する
ことを見込み、公的財政が2018/2019年度に
均衡するとの英予算責任局(OBR)による
見通しに疑問を投げかけた。

また、英国が欧州連合EU)離脱の道を
選ぶことになれば、同国経済は打撃を
被ることになるの見方を示した。

S&Pの欧州ソブリン格付けディレクター、
フランク・ジル氏は、税収が上向くとの
見通しは不透明と指摘。

賃金の弱い回復ペースや、銀行セクターや
北海油田・ガス事業の業績をめぐる不透明性を
理由に挙げた。