荒い動きを継続か

今週の為替相場は、
荒い動きを継続するか。

ドルが主要通貨に対して、上昇するなかで、
その調整と思われるドル売りも出て、
為替相場は不安定な動きとなっています。

今週は、米国では、
17日にFOMCが開催されます。

超緩和策は終えたものの、ゼロ金利策は
堅持するという、中途半端な金融政策が
維持されています。

本来なら速やかに、金融引き締めに
転じるのではないかと思うのですが、
金融引き締めを行うには躊躇する声も
出ています。

市場は、米金融政策の
行方を注目しています。

明確に、金融引き締め路線を見せた場合には、
さらなるドル買いが持ち込まれると考えます。

特に、ユーロ圏が年明けのECB理事会で
追加緩和策を打ち出す可能性が強いだけに、
金融政策の違いが為替相場に与える影響が
大きいと思います。

この中、日本では
大きな材料がいくつも出ます。

衆院選の結果、日銀短観、日銀の
金融政策決定会合と、1つでも
かなり大きな材料ですが、
それが3つも出るわけです。

まず、総選挙は、自公与党の
圧勝が予想されています。

アベノミクスに対する評価は色々ありますが、
今の与党の受け皿はいない、という見方が
強いようです。

余程のことがない限り、安倍首相が
責任を問われることはないと思います。

予定調和の総選挙ということに
なりそうです。

日銀短観は、業況判断に
大きな振れはないと思います。

企業の担当者も、いきなり総選挙と
なったことで、先行きの企業業績について、
確信が持てないような感じです。

逆に、この判断が悪化した場合には、
円売りに拍車がかかる可能性があります。

また、総選挙結果、日銀短観の発表の後には、
日銀の金融政策決定会合が開催されます。

消費税率の10%引き上げを想定して、
追加緩和を行ったあとだけに、新たな策を
打ち出すことは難しいと考えます。

市場は、何もないことを
織り込み織り込み済みと思います。

ただ、予定調和が意識される分、
調和を乱すような材料が出れば、
為替相場は大きく振れる可能性があります。

欧州サイドでは、引き続き
追加緩和の実施時期です。

ドラギECB総裁の発言をみる限り、来年、
年明け早々の追加緩和が予想されます。

これに対し、ドイツなどからは、
反対の声が強まると思います。

一枚岩に見えない、ユーロ圏の動きを
市場はどのように判断するのか、注目されます。

日米欧、それぞれに材料が出るなかで、
年末の薄商いで、相場が動きやすい状況が、
どのような動きを見せるのか、
注目したいと思います。

予想レンジは、
ドル円が115.20〜122.20円、
ユーロ円が144.20〜151.20円、
英ポンド円が184.20〜192.20円、
ドル円が94.20〜102.20円。