ECBはQE延長視野に、ユーロ圏中期見通し弱い=IMF
国際通貨基金(IMF)は、ユーロ圏経済の
中期成長見通しは抑制されているとし、
欧州中央銀行(ECB)は当初想定していた
期限以降も量的緩和策(QE)を継続する
必要に迫られる可能性があると指摘した。
ユーロ圏経済に関する年次審査報告書を公表した。
ユーロ圏景気は原油安やユーロ下落、ECBの
緩和措置により回復の勢いが強まっているが、
中期的には平均の潜在成長率が1%程度に
とどまるなど力強さを欠くとしている。
そのためECBは当初の期限とした2016年9月まで
資産買い入れを完全実施する必要があり、それ以降も
必要になる可能性があると分析した。
IMFはユーロ圏域内総生産(GDP)伸び率について、
2015年の1.5%から2016年には1.7%に加速すると予想。
インフレ率はゼロから1.1%に上昇すると見込む。
ただ慢性的な需要不足、生産性の弱さ、修復途上に
ある企業や銀行のバランスシートが引き続き雇用や
投資を阻んでいると指摘。
中期的には潜在成長率が平均1%と、多くの国で
許容可能な範囲まで失業率を押し下げるのに
必要な水準を大きく下回るとして、景気見通しは
弱いと指摘した。