介入探りながら、円上値余地意識

今週の為替相場は、日本当局による介入の
有無の余地を探りながら、円の上値を意識する
展開が想定されます。

原油価格の原価、株価の下落をきっかけに、
為替市場ではリスク回避の円買いの動きが
強まっていました。

この中で、米FOMC議事録では、利上げに
慎重な姿勢が明らかになりました。

4月の利上げは難しいとの見方が強まる中で、
円はじりじりと値を上げていました。

為替市場では円高の流れが強まっていたわけですが、
ここで安倍首相が介入について否定的な見解を示した
発言が流れたわけですから、為替市場では一気に
円買いが強まり、107円台に上昇したわけです。

さらに、欧州では追加利下げを容認するような
発言も出て、円は対欧州通貨でも上昇スピードを
速めたわけです。

日本では、107円台にあっさり上昇した円相場を睨んで、
麻生財務相など、政府高官の円高に対するけん制発言が
相次ぎました。

市場はスピード調整で、ドル円は一時109円台に
円が急落する動きを見せましたが、週末にかけては
じりじりと円買いが強まり、108円付近で取引を
終えました。

日本としては、予想外の円高のスピードに、
得意の口先介入を続々と行ったわけです。

実際に介入を行わない限り、市場は、本当に
介入が出るのか否か、試す動きをしており、
今週もこの動きは継続することになりそうです。

先のG7で、通貨安競争に否定的な声明が
出されたことで、日本としても、いきなり単独で
円売り介入をすることは難しいと思います。

特に、安倍首相が介入について、否定的な
発言をしていただけに、通貨安競争に
つながるような介入はできないと思います。

市場は、日本が本当に介入をするのか否か、
懐疑的な見方が多いのですが、過去の日本の
大量の円売り介入の張本人だった、黒田総裁
(元財務官)の実行力を見極めたいとの声が
聴かれています。

実際に介入が行わなければ、次の105円は通過点になり、
102.20円が意識される可能性が出ています。

大きな流れは、円が再び100円を突破する
円高局面に入るのか否かを、確かめる
雰囲気が強まりそうです。

予想レンジは、
ドル円が104.20〜110.20円、
ユーロ円が117.20〜126.20円、
英ポンド円が146.20〜154.20円、
ドル円が76.20〜83.20円。