黒田日銀総裁、「過度な円高、物価に悪影響」=英EU離脱問題を注視

日銀は16日の金融政策決定会合で、現在の大規模金融緩和の
維持を賛成多数で決めたが、日銀の追加緩和見送りをきっかけに
東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=105円台に
急伸したことについて、黒田東彦総裁は会合後の記者会見で
円高が行き過ぎた場合、物価上昇にも大きな影響が
出てくる可能性がある」と述べ、円高が物価を下押しすることに
強い警戒感を示した。

また、英国の欧州連合EU)離脱問題が国際金融市場や
世界経済に与える影響について黒田総裁は「イングランド銀行
(英中銀)など内外当局との連携を密にしつつ、十分注視していきたい」
と強調した。

同総裁は、英国のEU離脱問題や米国の金融政策の行方を
にらんで進む円高を念頭に、経済のファンダメンタルズ
(基礎的条件)を反映しない急激な円高や相場の変動は
望ましくないとの見解を表明し、その上で「2%の
物価上昇目標達成のため必要があれば、躊躇なく
追加的な金融緩和を行う用意がある」と述べ、
市場の動きをけん制した。