ドラギECB総裁、「英国民投票で不透明感、あらゆる手段用意」

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は21日、欧州議会
行った証言で、ユーロ圏の経済成長は勢いを増しつつある
との認識を示しながらも、英国で23日に実施される欧州連合
EU)離脱の是非を問う国民投票などが一部要因となり
不透明感が高まっているため、ECBは必要に応じてあらゆる手段を
行使する用意を整えていると述べた。

同総裁は証言で、「世界経済の脆弱な状態が続いていることに加え、
地政学上の情勢を反映し、不透明感はなお強く、著しい下方リスクは
引き続き存在している」と指摘した。

さらに、ECBは物価安定見通しの進展を注視するとし、
「目標達成に向け、必要なら責務の範囲内で利用可能な
あらゆる手段を講じる用意がある。とりわけ、EUからの
離脱の是非を問う英国民投票後のあらゆる緊急事態に
対応する用意が整っている」と述べた。

また、ECBの政策については、決定されたものの、
まだ完全に実施されていない政策について言及し、
ECBは忍耐強くある必要があるとの見解に支持を示した。

ECBは約2週間前に量的緩和策(QE)の一貫として
社債の買い入れを開始したが、同ドラギ総裁は
「一段の金融刺激策が用意されている」とした上で、
社債市場が拡大し深化するに従い、中小企業を含む
より多くの企業が近い将来にこうした資金調達に
アクセスできるようになることを望んでいる」と述べた。

また、ECBによる社債買い入れを阻害する
要因は出ていないとの見方を示した。