米国の方向性を見極める動きに

今週の為替相場は、米国の今後の方向性を
見極める動きが強まりそうです。

米大統領選挙では、予想を覆して、
トランプ氏が大領に当選しました。

米国内でも、世界中でも、今回の
選挙結果には、衝撃を受けています。

トランプ氏が選挙中に行った発言を巡り、
米国内はもちろん、世界中が混乱しています。

選挙結果が当初流れた時には、いわゆるトランプショックで、
ドル安・株安という流れが出ましたが、その後、一応の結果が
出たことで、米国の株価が持ち直すと、ドルも大きく買い戻される
動きを見せていました。

依然として、トランプ氏の政策が不透明なことで、今後、
何を発言するのか否か、見極めたいとする姿勢が大勢となっています。

トランプ氏は、FRBの利上げについて批判的な見方を示していましたが、
減税を先行させることを主張していることで、将来的な金利上昇に
つながるとの見方から、12月の利上げは予想通りに実行されるのでは
ないかとの見方から、ドルが買われる動き続くのではないかとの見方も
出ています。

今回は、見通しを大きく外してしまったのですが、トランプショックは、
ある程度織り込まれていたこと、当選後のトランプ氏の発言が選挙中と違い、
大人しいものになったことなど、選挙中の発言と実際に大統領に
就任した後とは、違うのではないかとの前向きな見方が強まったことが、
予想を大きく外した要因とみています。

とはいえ、米国内では、トランプ氏の大統領就任に反対する動きが強まり、
また、トランプ氏が大統領に当選したことで、少数民族に対する攻撃が
出ているとの指摘もあり、米国内の落ち着きどころが見えてきません。

トランプ氏が大統領に就任することで、差別が強まるのか否か、
まだまだ見極められません。

米国を優先する姿勢が、世界の軍事的対立を強めるのではないか、
そんな思いも強まっています。

米国を優先する姿勢から、ドル安を志向する、そんなことが
実際にできるの否か、FRBの利上げ志向に反対する立場から、
金融緩和の継続を求めるとした姿勢に変化があるのか。

何もかも、選挙中の矛盾した発言の収拾策をどのようにとるのか。

世界中に広まっている、難民に対する強い反発を推し進めるのか否か、
何もかも読み切れない状態が続いています。

まだ、実際に大統領に就任していないので、何とも言えないのですが、
市場で期待される、選挙中の発言と、実際の行動は違うことになるのか。

今は、過激な姿勢が薄れているという、トランプ氏に有利な評判が
広まっていることで、金融市場は落ち着きを見せていますが、
トランプ氏に対する不安が強まるようなことがあれば、金融市場が
大荒れになる可能性が強いと思います。

特に、米国内で広まっている反トランプの動き、
少数民族に対する暴力事件などが強まることになれば、
米国内の不透明感が大きな材料になることには注意が
必要だと思います。

予想レンジは、
ドル円が98.20〜108.20円、
ユーロ円が108.20〜118.20円、
英ポンド円が125.20〜135.20円、
ドル円が73.20〜83.20円。