米FRB金融政策報告、最近の物価上昇率は一時的

米連邦準備理事会(FRB)は5日、半期ごとに議会に提出する金融政策報告書を公表しました。
それによると、今年前半の米経済は引き続き「底堅いペース」で推移する一方、関税引き上げが世界貿易や企業投資を圧迫し、最近の数カ月間で経済が弱まった模様との認識を示しました。
また、FRBは、景気拡大の維持に向け利下げを含め「適切に行動する」と強調しました。
ただ、労働市場は年初以降「引き続き強まった」ほか、最近の物価上昇率の低迷は「一時的な影響」によるものと指摘しています。
パウエルFRB議長は来週10、11日に半期に一回の議会証言を行います。

3日の経済指標

【ユーロ圏】
6月のユーロ圏総合PMI改定値は52.2
IHSマークイットが3日発表した6月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は52.2で速報値(52.1)から上方修正されました。
5月の51.8から上昇しました。

【米国】
5月の米貿易赤字は555億ドルと5カ月ぶり水準に拡大
米商務省が3日発表した5月の貿易赤字は前月比8.4%増の555億ドルと、5カ月ぶりの高水準となりました。
輸出が幅広く増加しましたが、対中関税引き上げを前に輸入が拡大したことが、赤字拡大につながった模様です。
4月の赤字額は512億ドルと、当初発表の508億ドルから修正されました。

5月の米製造業新規受注は前月比0.7%減と2カ月連続のマイナス
米商務省が3日公表した5月の製造業新規受注は前月比0.7%減となり、2カ月連続でマイナスとなりまし。

6月の米ADP民間雇用者数は10.2万人増
企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが3日発表した6月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が10.2万人増となりました。
前月分は当初の2.7万人増から4.1万人増に上方修正されました。

ドル円は108円台前半で推移

2日の外国為替市場では、ドル円相場は108円台前半で推移しています。

米中貿易摩擦が緩和したとの見方からドル買いが強まった海外市場での流れを受けています。

ただ、ドルの上昇は鈍いものとなっています。

ドル円は108.45円前後、ユーロ円は122.40円前後、英ポンド円は137.10円前後、豪ドル円は75.60円前後で推移しています。

 

 

2日の経済指標

【日本】
1年後の企業の消費者物価見通しはは0.9%上昇=日銀短観
日銀が2日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)における「企業の物価見通し」によると、企業が想定する消費者物価の前年比上昇率は、平均で1年後が0.9%上昇となり、前回の3月調査から横ばいとなりました。
調査では、企業の消費者物価と販売価格について、1年後、3年後、5年後のそれぞれの見通しを聞いていますが、いずれも大きな変化はみられていません。
1年後の消費者物価見通しは3四半期連続で前年比0.9%上昇となり、2016年3月調査で1%を割り込んで以降、3年以上にわたってゼロ%台後半での推移が続いています。
3年後は同1.0%上昇と前回の同1.1%上昇からわずかに低下、5年後は同1.1%上昇で、前回から横ばいでした。
同時に公表した各企業の主要な製品・サービスの販売価格見通しは、現在と比べて平均で1年後が0.7%上昇で、前回の0.8上昇から小幅低下、3年後が1.2%上昇、5年後は1.5%上昇で、いずれも前回から横ばいでした。

 

1日の経済指標

【米国】
6月の米ISM製造業指数は51.7と2年半ぶり低水準
米供給管理協会(ISM)が1日発表した6月の製造業景気指数は51.7と、前月の52.1から低下し、2016年10月以来約2年半ぶりの低水準となりました。
内訳では新規受注が2.7ポイント低下の50.0と、2015年122月以来の低水準で、価格指数は5.3ポイント低下の47.9でした。
これに対し、雇用は0.8ポイント上昇の54.5でした。

1日の経済指標

【日本】
6月の消費者態度指数心理は38.7に悪化
内閣府が1日発表した6月の消費動向調査によると、消費者心理の明るさを示す消費者態度指数(2人以上の世帯)は前月比0.7ポイント低下の38.7となり、9カ月連続で悪化しました。
米中貿易摩擦の激化に伴う景気の先行き懸念などが悪影響を及ぼし、水準は20144年11月(38.4)以来、4年7カ月ぶりの低さでした。
食品など生活に身近な物価が上昇したことや、今年10月予定の消費税増税も消費者心理を後退させたとみられています。
内閣府は基調判断を5カ月連続で「弱まっている」に据え置きました。 

【ドイツ】
6月の独失業率は5%と横ばい
ドイツ連邦雇用庁が1日発表した6月の失業率は5%と前月と横ばいでした。
また、失業者数は前月比1000人減の228.1万人となりました。
完全雇用は6000人増の317.2万人でした。

6月のドイツ製造業PMI改定値は45.0と6カ月連続で50割れ
IHSマークイットが1日発表した6月のドイツの製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は45.0で、4カ月ぶりの高水準となりました。
ただ、需要減が新規受注を圧迫し、雇用も減少する中、景況拡大と悪化の節目とされる50を6カ月連続で割り込みました。
速報値(45.4)から下方修正となりました。

【フランス】
6月のフランス製造業PMI改定値は51.9と9カ月ぶりの高水準
IHSマークイットが1日発表した6月のフランス製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は51.9で、5月の50.6から上昇し、昨年9月以来9カ月ぶりの高水準となりました。
世界的な貿易戦争にもかかわらず、輸出受注が増加しました。
速報値の52.0からはやや下方修正されたましたが、景況拡大と悪化の節目とされる50は大幅に上回っています。

【英国】
6月の英製造業PMIは48.0と約6年ぶりの低水準
IHSマークイット/CIPSが1日に発表した6月の英製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.0となり、5月の49.4から低下し、2013年2月以来約6年ぶりの低水準に落ち込みました。
生産指数は50.3から47.2に低下し、2012年10月以来の低水準でした。

ドル円は108円台前半で推移

週明け1日の外国為替市場では、ドル円相場は108円台前半で推移しています。



朝方は、米中貿易問題が再交渉されることになったことから、リスク回避の円買い・ドル売りから円売り・ドル買いが持ち込まれました。



ドル円は朝方、108円台半ばまでドルが上昇しましたが、同水準ではドルの上値も重く、108円台前半の狭いレンジで推移しています。



また、日銀短観が悪化したものの、為替市場に対する影響は少ない動きとなっています。



ドル円108.15円前後で、ユーロ円は122.75円前後で、英ポンド円は137.30円前後で、豪ドル円75.70円前後で推移しています。