ドルはレンジ圏で推移か

今週の為替相場は、ドルはレンジ圏で推移するものと思われます。



2月末にかけて米朝首脳会談、米中貿易交渉など、大きな会合を控えているだけに、まずはこれらの会合を巡る高官発言が注目されることになると思います。



米朝首脳歓談では、朝鮮半島の非核化が実現するのか、米朝平和条約の交渉に進むことが出来るのか、などが焦点となると思われます。



昨年6月に初の米朝首脳会談を開催して以来、朝鮮半島の非核化が頓挫しているような状況で、2回目の会談で、非核化が進展するのか否か、北朝鮮に対する経済制裁が終了するのか、注目する材料が目白押しです。



これらの重要な点を睨みながら朝鮮戦争の終焉が合意できるのか、朝鮮半島を巡る大きな流れの変化が出る可能性もあります。



北朝鮮は、早く経済制裁を解除してほしいと願っている模様で、韓国も北朝鮮経済制裁が解除されることで、南北の新たな枠組みを構築したいと考えているようです。



中国も朝鮮半島の緊張緩和は望むところで、北朝鮮を後押しする可能性が強いと思います。



一方、米中貿易交渉はなかなか決着が見えませんが、それで「実」をとるトランプ米大統領にとって、何らかの譲歩を中国から引き出して、表面上の米国の勝利を願っているような感じがします。



中国は、トランプ大統領の意思を探りながら、トランプ大統領に勝利を譲りながら、先行きは中国にとって有利な交渉をまとめようとしているような感じがします。



北朝鮮、中国の巧みな外交術に対して、トランプ大統領が手玉に取られてしまうのか否か、注目したいと思います。



この中、米国では、利上げの回避について前向きな話が出ています。



今年の利上げについて、否定的な声が連銀幹部の中から聞かれており、金利差を意識する向きは、ドルを買って安心という思いは拭われつつあります。



また、欧州では各国の低調な経済に対する懸念が広がっています。



一時は利上げにかじを切り始めたのですが、低調な経済を睨んで、利上げに向けた動きを修正する動きもみられています。



日本は、ロシアとの平和条約交渉、韓国との思惑のすれ違いなど、国際的な問題があるのですが、これが金融市場に与える影響は少なくなっています。



金利面でのドル、ユーロの位置を睨みながら、相対評価で円が上昇する可能性があることには留意したいと思います。



予想レンジは、ドル円106.20~112.20円、ユーロ円が121.20~126.20円、英ポンド円が138.20~144.20円、豪ドル円74.20~80.20円。