欧州動向を注目
今週の為替相場は、引き続き、英国のEUからの離脱を巡る思惑で、ユーロや英ポンドを中心に乱高下する可能性があることを注目したいと思います。
英国のメイ首相が三度目のEUからの離脱案を議会に提出しましたが、議会はこれを否決しました。
このまま、英国がEUからの離脱案を可決できなければ、合意なき離脱に進む可能性が強まってきました。
欧州では、英国の離脱が合意がされない可能性を意識する向きも出始めており、仮に合意なき離脱なった場合には、英ポンド売りが加速し、さらにユーロも軟調な推移となることが予想されます。
こうした欧州通貨の変調がドルや円などに影響を与える可能性が強いことには注意をしたいと考えています。
引き続き、英国、ユーロ圏首脳の発言が注目されます。
この中、米国では先の大統領選挙でロシアの関与が疑われた問題で、トランプ大統領の疑惑はなかったとする報告書がまとまった模様です。
一部は公表できないものの、議会に報告書が提出されることになっています。
トランプ大統領は、これで身の潔白がはかれたと強気の声を上げています。
しかし、民主党をはじめ、この問題は蹴りがついていないとする声も多く、報告書を巡って、まだ一波乱も二波乱もあるのではないかとみています。
この中、米中通商交渉などもヤマ場に差し掛かっており、米中の姿勢がどのように変化するのか否かが為替市場に大きな影響を与えるものと思います。
また、日本では日銀短観が発表されます。
今回は、世界経済の不透明感を受けて、前回を下回る結果になるとの読みが多く、総じて軟調な結果になるとみられています。
ただ、日銀短観が悪化しても、為替相場にはあまり影響はないとみています。
予想レンジは、ドル円が108.20~112.20円、ユーロ円が120.20~126.20円、英ポンド円が138.20~146.20円、豪ドル円が74.20~80.20円。