米中通商合意睨み、ドル底堅い動きも
今週の為替相場は、米中通商合意の行方を睨みながら、ドルが底堅い動きを見せる可能性が出ています。
先週発表された米雇用統計では、非農業部門の新規雇用が大幅に増加したことを材料に、雇用統計は米経済の底堅さを印象付けたとの見方が支配的となり、ドルを買い易い動きとなっています。
前回発表された米新規雇用が大幅に減少したことで、米景気の先行き懸念が一気に広がり、ドルが下落する動きになりましたが、米景気の先行き懸念が後退する動きになりました。
この中、難航が続いている米中通商協議も、何らかの合意が得られるのではないかとの楽観的な見方が広がっており、ドルを支える材料になっています。
この中、気掛かりなのは、トランプ米大統領のFRBに対する批判が強まりを見せていることです。
明確にFRBに対して利下げを要求するなど、FRBに対して強い介入姿勢を示していますが、これに対してFRBがどのような対応を見せるのか、あるいは何も発信しないのか、今後の行方が注目されるものと思います。
FRBとしては、年内の利上げは回避する姿勢を示していますが、万が一、緩和を再開するようなことになったら、金利差を意識する動きが強まるものと思われ、その場合には、ドルの押し下げ効果が強まるのではないかとみられています。
一方、英国のEUからの離脱については、まだまだ紆余曲折がありそうです。
離脱合意が、英国内でなかなか決まらない中で、EUは英国に合意案に賛成するように働きかけていますが、英国議会での合意ができなかった場合には、合意なき離脱となる可能性が強まっています。
引き続き、ユーロや英ポンドは、この行方を睨みながら、上下する可能性が強いと思います。
円は、4月から5害にかけて大型連休があることで、これを意識する動きが出てくるのではないかとの見方も出来るかと思います。
ただ、大型連休となることで、方向感を決めることは難しいとの見方もあり、引き続き、米中通商協議の行方、トランプ政権とFRBの確執、英国のEU離脱を巡る動きなど、外部材料を意識する動きが強まるのではないかとみています。
予想レンジは、ドル円が108.20~113.20円、ユーロ円が121.20~127.20円、英ポンド円が141.20~147.20円、豪ドル円は76.20~82.20円。